2015年03月06日

イラク軍だけではISの掃討は難しい

 こんにちはPhilshootingです。
 前回、師団を始め部隊の編成に関する記事を書きました。軍事関係の説明をするときには部隊の話が必ず出てくるので事前に記事にした次第です。
 そうしているうちに、2日イラク軍のISに対する反撃が始まったというニュースが流れてきました。
 手始めに中央のティクリートという町の奪還をするということで、その成功の可否が今後のモースル奪還を左右するということだそうです。つまり、攻撃のやり方が通じるかどうかを試すことだと思いましたが、イランの参戦で様子が少し違ってきたと思います。

 以下、自分が書いた勝手な作戦図ですが、イラク軍の兵力が3万ということでその前提で書こうと思いましたが、いくら砂漠があるとはいえ、200~400km正面を2個師団だけで攻撃(反撃)するのは、さすがに無理と思ったので、それでも主要経路だけに絞って、3個師団と予備1個師団、さらにクルド族の兵員約1個師団を北に配置しました。
 こんな感じで師団などは作戦図上に配置されます。

イラク軍だけではISの掃討は難しい



 イラク軍の編成を見ると、陸軍25万(実際は20万らしい)13個師団、警察軍35万があるということですので、実際は、(兵員の消耗などもあるので)のべ10万人以上は(5個師団以上は)駆り出されるような気もします。

 しかし、イラク軍の攻撃にあたってはいくつかの技術的な問題があります。

 まず、米兵によるイラク軍の訓練や実際の戦闘の映像を見ていると、イラク兵の士気がどうも高そうにない、訓練不足、統率が取れていないなど、軍事関係の方が見るとすぐわかるような弱い部隊の状況で、とてもISと戦って勝てそうな軍隊には見えません。

 そこで空爆やハイテクを使った米軍の支援、ふんだんな兵站支援などで相当なバックアップ体制を取り、それで戦闘は推移するのだと思っていましたが、そうではなく、アメリカは主体的には参戦しないようです。
 
 かといってイラク軍だけでは負けてしまうことが明白で、アメリカが参戦しないのであれば、イランが参戦ということになったのかもしれません。
まずはISを討つために毒をもって毒をせいすような感じなのでしょうが、その影には、米国の及び腰の態度がイランの参戦を促したのかもしれません。

 当初、イラク軍+米軍(有志連合)+クルド という体制での戦闘を予想していましたが、米軍に代わってイラン軍となれば、戦闘の推移はまた違ったものになってくると思います。






実弾射撃コース

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Posted by philshooting  at 07:30 │安全保障