2014年10月27日

当たらなくても爆発する弾

こんにちわ。 海外実弾射撃コースを提供しているPhilshootingです。


 今日は、拳銃やライフルとあまり関係のない記事になります。

 第二次大戦のドキュメンタリーや映画をよく見ますが、大戦での発明の代表的のものに近接信管(VT信管)があげられています。日本軍は持っていませんでした。
 こんな感じの信管で弾頭につけます。

当たらなくても爆発する弾
(Internetから引用)

 弾丸には、拳銃弾やライフル弾のような小火器では弾丸自身が爆発するという機能はついていませんが、やや口径が大きくなると弾丸自身が爆発するという機能を持っています。
 一般的なところでは野戦砲の弾丸に代表されるものです。
 弾丸が火砲から発射されて弾丸についている信管が作動し、弾丸が爆発するというものです。

 航空機などに対する対空火砲も同じです。

 近接信管は、発射後、安全装置が外れると弾丸の近くにあるものを察知すると爆発するものです。


 アメリカ軍は、日本の特攻にものすごい恐怖を感じ、その対抗策として近接信管と対空弾幕射撃という戦術を用いました。
 くしくも10月25日は、特攻第一号とされる(諸説あり)関行男大尉(戦士後中佐)がフィリピンアンヘルス近くのマバラキャット基地から出撃し、空母を撃沈した日です。

 その後、特攻は次々と行われたのですが、アメリカ軍はさきの近接信管と対空弾幕射撃で対抗しました。
最初、日本軍は弾丸が命中していないのに爆発する光景を見て、しっかり時間調整された弾丸だとおもっていたそうです。しかし、あまりにも正確に爆発するさまをみて驚いたようです。飛行機の15m付近で爆発したそうです。


 弾幕射撃とは、複数の火力でこの場合は空にスクリーンのようなものを想定して隙間なく火力を集中させるものです。
たとえば300mx300mの範囲で弾幕を張って射撃をすればその中に突っ込んでくる飛行機はすべてやられてしまうわけです。戦術的にも優れたものであったし、射撃統制技術もすばらしかったとおもいます。
 以後、特攻機はことごとく容易に撃ち落されることとなりました。

 こんな感じで飛行機には弾丸の破片が当たったようです。これはアメリカ機のようなで、要撃機が間違って、弾幕に入ったものだとおもわれます
 
当たらなくても爆発する弾
(Internetから引用)

対空ミサイルも同じような信管を使っており、命中精度をあげています。

同じように陸上の火砲でも地域を制圧するのに近接信管は用いられるようになりました。上空で弾丸が爆発するので効果的に装甲のない地上の目標を制圧することができます。

当たらなくても爆発する弾
(Internetから引用)



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当たらなくても爆発する弾




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当たらなくても爆発する弾










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Posted by philshooting  at 07:20 │Comments(4)弾薬

この記事へのコメント
学徒出身であった為、結果的に海兵出身の関中佐が喧伝されましたが、特攻戦”死”の第1号は久納好孚少佐です。 この位の事は当然お調べになっていると思いますが、個人的に久納少佐のご遺族の方と面識が有りますのでここで訂正させていただきます。
Posted by MASA at 2014年10月27日 12:40
確か、2飛行隊がマバラキャット(そのうちのひとつの敷島隊を兼任したのが関大尉だったとおもいます)、1飛行隊がセブに移動し(久納中尉はこちらに所属)、関大尉が戦死したのは天候の影響で3回目の出撃の日ですが、久納中尉は1回目の出撃で未帰還となっており、特攻1号という説もりますが、天候が悪かった、戦火が確認できていない、当時の軍本部の考えなどもあり、一般的には関大尉とされていると戦史では学びました。
それで本文では諸説ありとさせていただきました。
自分自身もよく日本からのゲストをクラークへ連れて行くことがあり、必ず関中佐の記念碑に連れて行かせていただいていますが、そのような説明をさせていただいています。
1号であることは当時いろいろな意味で重要だったのだとおもいますが、最初の特攻及び特攻関連で戦死された方の無念を考えると順番以上のものを感じます。
先の大戦で亡くなった方々の冥福を心からお祈りいたします。
Posted by philshootingphilshooting at 2014年10月27日 13:38
下の写真を見ると、撃墜されたマレーシア航空機と
同じ様な感じですね。
pac-3も弾幕で撃ち落とすんですかね。
Posted by harry at 2014年10月27日 16:24
航空機を撃墜するには、装甲が非常に薄いので弾あるいはミサイルを必ずしも命中させなくても破片で撃墜させることができます。よって対空火器、ミサイルは近接信管を使うケースが多いとおもいます。技術もWW2の時に比べて格段に進歩しています。
弾幕は、複数の火器からほぼ同時に発射された弾の幕のことを通常はさしており、マレーシア機は単発のミサイルが、機の周辺で爆発してその破片が墜落させたとおもいます。
Posted by philshootingphilshooting at 2014年10月27日 17:14
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