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Posted by ミリタリーブログ  at 

2017年06月05日

フィリピン南部ミンダナオ島の戒厳令

【フィリピン南部ミンダナオ島の戒厳令】

先日、ミンダナオ全島に戒厳令(マーシャルロー)が発せられた。
ミンダナオ島のMarawitというところで、ISと名乗る武装グループ(Maute Group)が、民間人(フィリピン人のほとんどはイスラム教徒)を誘拐したり、惨殺したりして、フィリピン軍が出動したからだ。
 
日本で例えるとすると、九州の大隅半島のxx市で、ISを名乗る200名規模の武装集団が市民の誘拐、殺りくを行った。
政府は、九州全域に戒厳令を出し、自衛隊に出動を命じた。
自衛隊は、8師団隷下の1個連隊を武装集団の鎮圧に向かわせた。

という感じだと思う。









ミンダナオ島は、もう数十年間もアブサヤフなどのゲリラが活動をして、同じようなことを起こしており、政府が掃討したり、和平になったりの繰り返しだ。
 
今回のMaute Groupは、中東のISと全く同じで、旗をあげ、首を切ったりの惨殺をし、Youtubeなどで宣伝活動をしている。
殺されたMaute Groupを見ると、中東の人、マレーシア、インドネシア人がいたらしいので、どうやら IS が移動してきて、現地をIS化しているらしい。




 
マニラでは、毎日のように報道されているが、ミンダナオ島では、同じようなことが繰り返されているので、たいした騒ぎはないのだが、ISということで話題にはなっている。
 
ちょっと余談だが、3日前、マニラ空港近くの カジノホテルで37名が死亡するという事件があった。犯人は放火し、自分も自殺したのだが、CNNなどは真っ先にテロと報道した。
政府内でもテロという人がいたが、犯人は、多額の借金があり、カジノでも大負けをした元政府職員だったことが分かった。
 
本人は自暴自棄になり、カジノにチップの泥棒に入り、見つかって、放火をし、自殺をしたというのが真相らしい。
犠牲者は、全員、火事の煙で死亡したようだ。
 
個人的にはカジノの防火対策に大問題があったと思うのだが、その辺はまだ追及されていないどころか、営業を再開するらしい。
 
また、なぜか、ISはISの犯行だと声明を発表している。
図に乗りすぎている感じだ。
 

話は戻るが、ミンダナオの件に関して、一般に噂されているのは、ISが来て、大変だということではない。 
武装集団に資金提供、武器提供をしているのは誰だということだ。要は誰がやらせているかということだ。
こちらも、どうも反ドテルテ、前の支配層のイェローグループの関与ということになっている。
こちらは、かなり信ぴょう性が高い。
 
恐るべきことに米国の関与も噂されている。
いくらドテルテが米国と距離をおこうとしても、フィリピンは濃厚に米国と関係を持っているので、切っても切れない縁なのだが、米国としては腹立たしいと思う。
 
そこへイェローグループが、米国にISを利用して、ドテルテ政権を打倒しようと持ち掛けたという話だ。
 
規模内容は違うが、日本でも米国でも同じような政府転覆の話になっていることは同じだ。

フィリピン軍は強い。個々のレベルでは、戦闘部隊の全員が日本のレンジャーのような感じで、ジャングル戦ではさらに強い。 
ドテルテもものすごい人気で支持率も高い。

よって、中東のISのようにはならないと思うが、反体制派の動きが気になる。









世界では、話題が多いので、日本ではミンダナオの戒厳令は大きくは取り扱われていないと思う。
もし報道されれば、”フィリピンでIS活動で戒厳令”という印象ニュースが流れそうだ。
”ドテルテ強権で9000名を殺害”というのと同じだ。
 
黙っていても危険、汚いイメージのフィリピン、マニラなので、はなはだ迷惑な話だが、印象ニュースではなく、なぜそうなっているのか、ニュースの本質というのもわかっていただきたい。
  


Posted by philshooting  at 00:21安全保障